ドッペルゲンガー

少し不思議な話だけども、

僕はドッペルゲンガーの経験がある。

高校2年の夏だ。

始めは同級生の女の子が駅のベンチにいた僕に話しかけた事からだ。

ギターを持っていて座っていたので、となりに座って話しかけたらしい。

しかし何も言わずに電車に乗って行ってしまったとのこと。

次の日学校でどうして無視したのかと数人の女子に言われたのだ。

その時間は別の友人といたので僕ではないと証明できて良かったのだが、

それから1週間後に同じ水泳部の同級生が僕の分身に会っている。

誰かの自転車の後ろに乗っていたそうだ。

声を掛けたら振り向いたそうだが、それも何も言わず去って行ったらしい。

それからまたしばらくして、文化祭の用意で皆が集まり、

帰りがけに記念撮影をしている時、

カメラを構えて写真を撮ろうとしている友人が

「的場じゃまするなよ、どいてどいて」と言い出した。

僕はその友人の真後ろに立っていたのだ。

皆、真っ青になった。

もうそうなってくると周りの人間は気味悪がるし、僕も怖いし。

毎日変な感じになってきた。

大阪のミナミの繁華街を歩いている時など、

向こうから自分の分身が歩いて来たらどうしようとか思い始めて

気分が悪くなることもあったくらいだ。

友人はあまり出歩くなとか、

クラスの女の子はドッペルゲンガーについて調べてくれたり、

次にもし的場の分身が出たら、腕をつかんで身元確認してやるとか、

皆が言ってくれて嬉しかった。

それで自分もよぉーし来い!みたいな気分になってきたのだが、

それからは何も起こらなかった。

ほんと良かった。

その年の夏はもう一つ不思議なことが。

僕の誕生日に3人の同級生からプレゼントをもらったのだが。

3つともジクソーパズルであったことだ。

なぜだ!?

その真意はわからないままだ。